「時の海 - 東北」プロジェクトとは

あの時、あの人に逢いにいく ー 3.11の東日本大震災をきっかけに、現代美術家の宮島達男が構想し、犠牲者の鎮魂と震災の記憶の継承を願い、東北に生きる人々、東北に想いを寄せる人々と共につくり上げるアートプロジェクト。生命の永遠性を象徴する数字のLEDのカウントするタイム設定を3,000人に行ってもらい、ひとつの作品にしていきます。そうしてさまざまな人の想いを乗せた3,000個のLEDガジェットが海の見える巨大な空間に設置される想定の作品を通して、静かに作品を眺めながら、大切なあの人のこと、命について、想いを馳せる時間や場を生み出すことを目指しています。

作品のコンセプト

この作品は、「あの時」に逢いにいくための作品となってほしいという想いが込められています。「あの時」とは、2011年3月11日です。あの日、私達の価値観・世界観は大きくゆらぎました。亡くなられた方々への追悼の念、そして被害に遭れた人々へのお見舞いの気持ちは当然ですが、直接被害に遭なかった人々にもさまざまな思いが去来しました。

「あの時」、感じた、絶望、無力感、虚しさ、怒り、自然への畏怖。
「あの時」、味わった、人の優しさ、絆、繋がり。
「あの時」、信じた、友情、希望、人の心、その強さ、
「あの時」、誓った、反省、決意、そして約束。
でも、「あの時」は少しずつ忘れられていく。
だから、この作品を通して、「あの時」、「あの人」に逢いにいく。
「あの時」の「私の心」に逢いにいく。
「あの時」の「誰かの想い」に逢いにいく。

そんな場所にしたいと考えています。
大切な誰かと再会するために。あの頃の想いに再会するために。
「時の海 – 東北」では、そんな作品を作り上げるため、被害を受けた方々に寄り添い、共感してくれる多くの方々と一緒に、作品作りを進めていけたらと思っています。

宮島達男

「タイム設定」とは?

「時の海 – 東北」の3,000個の数字のLEDは、一つひとつが異なる速さでカウントダウンしています。「タイム設定」では、9、8、7、6 …と数字が切り替わる速さを、参加者の希望する秒数(0.2秒〜120.0秒まで)に設定することができます。

「タイム設定」は、2つの参加方法があります。

1.ウェブから参加する「タイム設定」

2.各地で開催するワークショップに参加し行う「タイム設定」。開催日などの詳細は、随時、「お知らせ」ページにて告知します。

※いずれも、参加費は無料です。

参加者の声

  • 震災が、風化されることなく危機感としても、このようなプロジェクトを通して残ってもらえればいいなと思います。参加させていただき、ありがとうございます。(36歳 女性)
  • アートという形で、震災と向き合いたかった。(41歳、男性)
  • 震災前も震災後もずっと海が好きです。たぶん多くの人がそうだと思います。作品が完成したらきっと感動で泣いてしまうだろうなと思います。(37歳、女性)
  • 辛い事ばかり思い出す事が多いですが、こうしたプロジェクトで過去を風化させずにしながらも楽しく綺麗な作品を作れれば強く後々までモノを残していけていいと思います。(男性)
  • カウントスピードは「25」被災したト故郷で過ごした25年間の意味を込めました。石巻市の雄勝地区にはもう故郷の姿はありませんが、海の匂いはあの頃のままです。目を瞑りながらゆっくり25年を振り返りたいと思います。(35歳、男性)
  • 月日が経つにつれ、想いをはせる心はあれど届くまでには時間がかかると思います。これからも東北の豊かな自然と、あたたかな人々にエールを送り続けたいです。(43歳、女性)

作品の設置場所と完成時期は?

作品の設置場所として東北の海の見える場所を探しています。完成時期は、プロジェクトをはじめてから10年目にあたる2027年を目指しています。

資金について

2017年と2018年、2回のクラウドファンディングにより、皆様からとてもたくさんのご支援をいただき、心から感謝申し上げます。また、宮島も可能な限り個人的資金から制作費を捻出していますが、まだまだ作品完成にいたるまでの資金が不足しています。以下の資金が必要です。

  1. LED制作費用+防水加工費 1個あたり、18,000円x3,000個=5,400万円
  2. 作品を設置する土地購入費用
  3. 作品を展示するスペース建築費用

皆様の継続的な支援をお願いいたします。

宮島達男のプロフィール

宮島 達男/Miyajima Tatsuo (現代美術家。2006-2016 京都造形芸術大学/東北芸術工科大学 副学長)

1986年 東京芸術大学大学院修了。1988年ヴェネツィア・ビエンナーレ、新人部門に招待され、デジタル数字を用いた作品で国際的に注目を集める。以来、国内外で数多くの展覧会を開催。世界30カ国250か所以上で作品を発表している。1993年ジュネーブ大学コンペティション優勝。1998年 第5回日本現代芸術振興賞受賞。1998年 ロンドン・インスティテュ―ト名誉博士授与。代表作に「メガ・デス」など。また、長崎で被爆した柿の木2世を世界の子どもたちに育ててもらう活動、「時の蘇生・柿の木プロジェクト」も推進している。

Tatsuo Miyajima Website: http://tatsuomiyajima.com/、 「時の蘇生・柿の木プロジェクト」:http://kakitreeproject.com/

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