Sea of Time – TOHOKU コンセプト

    この作品は、「あの時」に逢いにいくための作品となってほしいという想いが込められています。「あの時」とは、2011年3月11日です。あの日、私達の価値観・世界観は大きくゆらぎました。

    亡くなられた方々への追悼の念、そして被害に遭われた人々へのお見舞いの気持ちは当然ですが、直接被害に遭わなかった人々にもさまざまな思いが去来しました。

    「あの時」、感じた、絶望、無力感、虚しさ、怒り、自然への畏怖。

    「あの時」、味わった、人の優しさ、絆、繋がり。

    「あの時」、信じた、友情、希望、人の心、その強さ、

    「あの時」、誓った、反省、決意、そして約束。
 
    でも、「あの時」は少しずつ忘れられていく。
    だから、この作品を通して、「あの時」、「あの人」に逢いにいく。

    「あの時」の「私の心」に逢いにいく。

    「あの時」の「誰かの想い」に逢いにいく。

    そんな場所にしたいと考えています。
大切な誰かと再会するために。あの頃の想いに再会するために。
「時の海 – 東北」では、そんな作品を作り上げるため、被害を受けた方々に寄り添い、共感してくれる多くの方々と一緒に、作品作りを進めていけたらと思っています。

    現代美術家 宮島達男

    《Sea of Time - TOHOKU》の
    作品イメージ

    22.5m×40mの水盤(浅く水を張った設備)のなかで、3,000名の想いが詰まった3,000個のLEDのカウンターガジェットが光り輝きます。
    その様子は、静かに波打つ東北の海を想起させることでしょう。

    現在、作品《Sea of Time - TOHOKU》を恒久設置するために、福島県富岡町の海が見える場所に美術館建設の準備を進めています。

    • 宮島達男|《Sea of Time – TOHOKU》アイデアドローイング|2015
    • 宮島達男|《Sea of Time – TOHOKU》コンセプトドローイング|2024
    • レイアウト図|2023
    • レイアウト図|2016
    • 使用するLEDガジェット
    • 《Sea of Time – TOHOKU》[部分]|2020|森美術館での部分展示

    プロフィール

    宮島達男

    現代美術家

    Photo: Lisson Gallery

    1957年生まれ。1988年 ヴェネツィア・ビエンナーレ新人部門に招待され、デジタル数字を用いた作品で国際的に注目を集める。以来、国内外で数多くの展覧会を開催し、世界30カ国 250か所以上で作品を発表している。1990年ACCの招きでニューヨーク滞在。1993年 カルティエ現代美術財団の招聘でパリ滞在。
    代表作に《Mega Death》(1999 / 2016)、《Counter Void》(2003、テレビ朝日蔵)、《Sea of Time ’98》(1998)など。被爆した柿の木2世を世界の子どもたちに育ててもらう「時の蘇生・ 柿の木プロジェクト」(1995-)も推進している。1998年 ロンドン芸術大学名誉博士授与。
    2006-2016年 東北芸術工科大学副学長。2012-2016年 京都造形芸術大学副学長。2020年 芸術選奨文部科学大臣賞。
    Tatsuo MIyajima 公式サイト|https://tatsuomiyajima.com/

    • Mega Death|1999
    • Time Waterfall|2016|photo: MCH Messe Schweiz (Basel) AG

    タイム設定とは

    《Sea of Time - TOHOKU》の3,000個の数字のLEDは、一つひとつが異なる速さでカウントしています。

    9、8、7、6 …と数字が切り替わるタイミングの時間を、参加者の希望する秒数(0.2秒〜120.0秒まで)に設定し、その秒数に込めた想いを傾聴する「タイム設定」ワークショップを通じて、現在までに2,922名(2026年6月1日)の方にご参加いただきました。※

    「時の海 - 東北」プロジェクトでは、参加者一人ひとりを「コラボレーション・アーティスト」と位置付け、アーティストの一人であるという証として「参加証明書」を発行しています。

    ※2026年3月末日をもって、タイム設定の参加受付は終了いたしました。

    参加者の想い

    タイム設定ワークショップで寄せられた、東北へ寄せる想いや選んだ秒数に込めたメッセージの一部をご紹介します。

    58秒

    震災をきっかけに東京から釜石に戻り、第2の人生が始まった日 。2012年5月8日=58。実家も無くなり、仕事も探さなければならない。不安ばかりでした。田舎がいやで都会に暮らしていた私が見た、こわれていく釜石の光景は、胸がはりさけそうでした。「戻ってくるよ」と言った時にすごくうれしそうに笑った母の姿に決断しました。

    1958年生まれ 女性

    60秒

    アートという形で、震災と向き合いたかった。

    1979年生まれ 男性

    これまでの活動

    2015年のリサーチから始まり、約10年にわたってタイム設定ワークショップや展示を行ってきました。
    9都県39箇所、オンラインを含めて全49回のワークショップを開催。2026年6月1日現在、2,922名に達しています。

    これまでの参加者 : 2,922人
    2026年6月1日現在